野口創詩
メディアデザイン専攻4年
研究内容:漫画とアニメの動きの対比について
アニメって奥が深い…‼
・好きなアニメ:Rwby / Adventure Time / 万聖街 /etc
・好きなアーティスト:Toby fox / V.W.P / Diva / Dan Salvato /
・買ってよかった漫画:
「ブラックサッド シリーズ(作:フアン・ディアス・カナレス 画:フアンホ・ガルニド)」
「圕の大魔術師(原作:風のカフナ 著:ソフィ・シュイム 画:泉光)」
「峠鬼(著:鶴淵けんじ)」
アニメと漫画の対比について
漫画作品がアニメになると漫画のコマや会話、テンポをどの様にアニメで生かしていくのだろうかと疑問に思った私は様々な作品を読み、鑑賞して調べてみる事にした。
鬼滅の刃
「第9話 手毬鬼と矢印鬼」 9:54~
小さなコマでも重要なシーンでは迫力のある映像になっており、主に戦闘シーンのコマとコマの間の空白な時間は細かな描写で新しく制作されていて辻褄があうようになっていた。一番の見せ場のシーンではカメラを寄りで映し最終的にカメラを引いて漫画のコマのシーンを彷彿とさせる演出が見られた。
彼方のアストラ
「第8話 Lost and found」 14:13~
この作品では常にシネマスコープの様な画面構造になっていて漫画を土台に画にこだわっているのを感じた。漫画ではバストアップのコマだったがアニメでは、ほぼ目元のupで目のキラキラを見せる演出になっていたり、一つのコマを上から下にカメラを移動させる事で前の2、3コマの台詞を映像に変えていて上手くつなげていた。何より見せ場のシーンの、漫画では数コマ挟んであるシーンをアニメでは失くす事によって映像の間とタイミングがとても合い気持ちの良い映像になっていた。
俺物語!!
「第1話 俺のものがたり」 12:03~
漫画をみている時は脳内補完で気づかないがアニメではちゃんと背景が描写されている。
漫画では左ページのせいか左を向いているがアニメでは右を向いていたり、他のシーンでも場面の辻褄を合わせるために反転していた。個人的にアニメの演出で主人公のガッカリした心境を主人公のシルエットをマスクで切り抜き、真ん中に友人達がいるというシーンでは漫画のシーンをよりよくしていてとても素晴らしい演出だと感じた。
ドロヘドロ
「第1話 カイマン」 17:00~
基本的に漫画とはほぼ違う構図の演出でした。
特に漫画で行われている戦闘シーンのコマとコマの間の描写がフル3Dcgなのでとても分かりやすくなっており、漫画では主張していなかったコマをアニメでは見せ場として演出していた。
アニメとしてはあまり表現しにくいコマでも上手くアニメでは新規の画として制作していた。
口の中の描写は世界観を忠実に再現されているので漫画をよりよくしているなと感じた。
宝石の国
「第6話 初陣」 4:45~
下からカメラを上げていく動きによって背景の広さ、木が高い事をアニメでは表現していると感じた。所々漫画のコマを意識した画面作りになっていて、3Dを生かした構図で漫画をよりよくしているシーンも多々あった。見せ場の走っている所を捕まえるシーンでは走る動き、カメラの動きに加える事によって1コマの絵に様々な動きを与えていると感じた。
ここまで漫画→アニメだったので逆も見てみようと思い、映画ドラえもんを視聴した。
映画ドラえもん のび太と雲の王国
ページ数に制限がある為に余分なシーンはカットされコマの都合上余分な部分はトリミングされている。(実際カットされたシーンが漫画のコマとして挟まれなくても話は通じる)例:移動しているシーンやカメラが横に移動するなど。
台詞を文章で伝える為に顔upのシーンは一度しか使わずっても整理されたものになっていた。
迫力のあるシーンでは大きいコマを使用したりコマ枠からはみ出したりなどをして漫画なりの目立たせ方をしてた。
まとめ
全てが漫画通りというわけではない。
逆に演出や新規のシーンを作る事によってよりよい物になっている。
漫画ではできないカメラの動きや撮影によって上手く場面の動きを説明できている。
最終的な画面を漫画のコマに合わせる場合がある。
コマが小さいからといってアニメで目立たないシーンになるという事はない。
漫画を意識した画でなくても上手く辻褄があっていればアニメとして成立している。
参考作品
アニメ
鬼滅の刃 第9話(ufotable)
彼方のアストラ 第8話(Lerche)
俺物語!! 第1話(マッドハウス)
ドロヘドロ 第1話(MAPPA)
宝石の国 第6話(オレンジ)
映画ドラえもん のび太と雲の王国(シンエイ動画)
漫画
鬼滅の刃 第2巻 集英社 著:吾峠 呼世晴
彼方のアストラ 第4巻 集英社 著:篠原健太
俺物語!! 第1巻 集英社 著:原作 河原和音 作画 アルコ
ドロヘドロ 第1巻 小学館 著:林田球
宝石の国 第2巻 講談社 著:市川春子
映画ドラえもん のび太と雲の王国 てんとう虫コミックス 著:藤子・F・不二雄