セ氏
アニメーション専攻4年
研究内容:変形武器
趣味120%で行きますッ!!
「変形武器について」
今期、私は「変形武器」をテーマに研究させていただきました。
ここで言うところの変形武器ですが、「武器」であり、「複数種類の武器に変形」するアイテムとします。
アイテムなので、ロボットやパワードスーツのような、乗り物や身に纏うものは除外させていただきます。
かなり奥深いジャンルなので、ロボットにまで手を出してしまったら収集が付かないんです。ごめんなさい。
それでは、まず、私が変形武器について調べていく中で、「よくあるなぁ」と思ったジャンルがありましたので、纏めて紹介します。
各武器には、変形の派手さを表す「変形度」、現実での再現しやすさを表す「実現性」、そして「なんか当たったら痛そう」さを表す「殺意」の三項目を★1つ~5つで数値化しています。
完全に僕の独断なので、深追いはしないでくださると助かります。フリじゃないよ。
【よくある変形武器】
・蛇腹剣
変形度:★★
殺意:★★★(リーチの暴力)
実現性:★★★★
それでは最初はこちら、「蛇腹剣」です。
ご覧の通り、剣の刀身が蛇腹状に分割し、鞭のようにしなりながら斬りつける、という武器です。
ロボットアニメの「機甲界ガリアン」が初出の武器で、変形武器界では「ガリアンソード」とも呼ばれています。(変形武器界ってなんだろう。)
多方面に影響を与えており、様々な作品で類似したギミックを持つ刀剣がしばしば見られます。
ガリアンの監督である高橋良輔さんはこれらに対し知的財産権を主張し、利益を得ることは無かったそうです。
それもまた、この武器がよく採用される理由の一つでしょう。
ちなみに、ガリアンの劇中では分割された刀身が個別に飛行して攻撃するという、某ファンネルじみたビットの如き挙動もします。
・弓になる双剣
変形度:★★★
殺意:★★
実現性:★★★(弦はどこから?)
次は「弓になる双剣」。一種の合体武器です。
2本の剣として扱う白兵モードと、それぞれの持ち手を連結して弓とする射撃モードを使い分ける、と言った遠近両用ウェポンです。
類似品として、白兵モードが鎌だったり、射撃モードがクロスボウなどと言ったバージョンも見られました。
全く異なる両者を使い分ける器用さを求められる武器であり、ファンタジーならではのアイテムと言えます。
弓の時とか、うっかり刃を握っちゃいそうで怖い。
残念ながら、オリジナルを突き止めることはできませんでしたが、
メジャーな登場作品としては「新・光神話パルテナの鏡」に登場する主人公・ピットの武器、「Fate/Prototype」に登場するギルガメッシュの武器などがあります。
・銃剣(銃に付ける剣とは言っていない)
変形度:★★
殺意:★★★
実現性:★★★★★(使いこなせるとは言っていない)
次はこちら。
どこかしらに仕込まれた刃を伸ばすことによって白兵にも対応できる、という銃です。
先ほどと同じように、近距離の剣と、遠距離の銃を使い分ける変形武器となります。
こちらに関しては両方の特性を持った実在の武器として「銃剣/バヨネット」が存在するため、そのアレンジだと思われます。
もちろん、流石にこれは変形とかはしません。あくまでも個人的な考察です。
斧になる銃、鎌になる銃なども、これの応用形と言えるでしょう。
変形ギミックが比較的現実的なため、立体物としての商品化もしやすく、特撮モノのアイテムとしてもよく見られます。
【変形武器を取り扱う作品】
それでは、次はゼミの皆さんが教えてくださった作品群も踏まえつつ、僕が個人的な趣味と好みとノリで選んだ変形武器を取り上げます。
・戦姫絶唱シンフォギアシリーズ
僕イチオシの変形武器アニメ。シンフォギアはいいぞ。
全13話×5期という、オリジナルアニメとしては破格の長期シリーズになっています。人気声優の歌も聴けるぞ(布教)。
本作は「未知のエネルギーを変形武器に成形する」という設定の武装がメインとなります。
つまるところ、質量無視、物理無視の何でもあり変形オンパレードです。
シンフォギアはいいぞ。
「シュルシャガナ」
使用キャラ:月読調
変形度:★★★★
殺意:★★★★
実現性:★(衣装を再現しただけで首が折れそう)
メインヒロインが6人ほどいるシンフォギアシリーズですが、その中でも特に特徴的な武装が「シュルシャガナ」です。
先述の通り、本作は何でもありな変形がしばしば見られますが、この武装はその中でも特に常軌を逸しています。
ツインテールのごとく頭部に装着されたメカから展開して現れる巨大な丸鋸。
スカートが伸びて丸鋸。
丸鋸をタイヤにして高速移動。
丸鋸がプロペラになって飛行。
最終話にはなんか巨大ロボに変形。
意味が分かりません。シンフォギアはいいぞ。
・RWBY
はい。
言わずと知れた、ワールドワイド変態ウェポン博覧会アニメです。
3DCGで制作されており、武器の変形ギミックにこだわりを感じられる作品となっています。
特徴としましては、大体の武器に銃火器が仕込まれていることでしょうか。
斧にチャカ。鎌にチャカ。腕からもチャカ。とにかくチャカ。流石は銃社会アメリカ制作のアニメです(偏見)。
「Crescent Rose」
使用キャラ:Ruby Rose
変形度:★★★★
殺意:★★★★★
実現性:★★
どの武器も素晴らしいのですが、ここでは主人公のルビーが扱う「クレセント・ローズ」を紹介します。
ご覧の通り鎌ですが、銃が内蔵されており、一種のライフルにも変形します。
面白いポイントとしては応用の幅があり、鎌形態で発砲して反動を活かして斬りつける、刃の角度を変えてウォーサイズのように扱う、と言った細かい使いこなしが散見できるところです。
・ブラック★ロックシューター
今回取り上げた作品はテレビアニメ版のブラックロックシューターです。
OVA版やゲーム版も存在しますが、確認できる資料の多さと比較キャラの豊富さからこちらを選ばせてもらいました。
この作品はRWBYとは異なり、バトルシーンは3DCG、日常シーンは二次元作画と分けられています。
それぞれを別世界として描くという作風が特徴ですね。
「Black rock cannon」
使用キャラ:ブラック★ロックシューター
変形度:★★★★★(やばい)
殺意:★★★★★(やばい)
実現性:★
主人公の別側面的存在、ブラックロックシューターの専用武器です。
メカニカルな造形をしていますが、作中舞台が一種の精神世界なこともあり、完全に物理法則を無視した挙動をします。
何も無い空間から基本形態のカノン砲的なものが出現。
バラバラになってから質量無視の変形によりガトリングにチェンジ、しかもいつの間にか2つに増えてる、などやりたい放題です。いいぞもっとやれ。
そのほか、いくつかのフォームチェンジも見られ、少ない話数ながらも闇落ち形態、最終形態と豊富なバリエーションを見ることが出来ます。
・魔法少女リリカルなのはシリーズ
武器の特徴としましては、タイトルに「魔法」を冠している通り、マジカルな原理で構成されている設定で、これもまた比較的物理法則を無視した変形が見られます。
その一方で、本作における「魔法」とは「魔力を用いるオーバーテクノロジー」であり、SF的側面が強調されています。
そのため、武器のギミックには機械的な要素も多く盛り込まれています。
「バルディッシュ」(バルディッシュ・アサルト)
使用キャラ:フェイト・テスタロッサ(・ハラオウン)
変形度:★★★★
殺意:★★★★
実現性:★★(変形は再現困難)
今回はあえて、メイン主人公のではなく、サブ主人公的キャラの用いるデバイスの「バルディッシュ」を選ばせてもらいました。
本作はゲーム、テレビアニメ、劇場アニメと大規模なメディアミックス作品となっています。
そしてシリーズ毎に登場武器のデザインがリニューアルされていくのも特徴です。
斧を通常形態としていて、ここからエネルギーで出来たブレードを生やすことによって鎌や剣に変形します。
そのほか、本作には先程紹介した「蛇腹剣」および「弓になる剣」である、お約束盛込みウェポン「レヴァンティン」も登場します。
・BLEACH
この中では一番有名な作品なのではないでしょうか。
劇中には斬魄刀と呼ばれる武器が多数登場し、これらは1つか2つほどのフォームチェンジを行うことができます。
まさに変形武器のオンパレード・・・と言いたいところですが、実際のところ武器のメタモルフォーゼに関しては描写が少なく、変形武器とは少々違う部類かも知れません。
そんな中で数少ない、変形する描写がはっきりある斬魄刀がこちら。かの有名な千本桜です。
「千本桜」(千本桜景厳)
使用キャラ:朽木白哉
変形度:★★★★★(刀とは)
殺意:★★★★
実現性:★★
斬魄刀と言う名の通り、通常形態は普通の日本刀の形をしていますが、能力を発動することによって刀身が細かく砕け、花びらのように薄く、軽い刃物になって舞い飛びます。
花びらのような刃たちは自在に操ることができ、敵をめがけて襲いかかるほか、防御としても使えます。
また、卍解と呼ばれる、さらなる強化形態があり、これを発動すると地面から無数の刀身が出現。花びらブレードを大量増援します。
発想としては、最初に紹介した蛇腹剣の超進化形と言える武器であり、刃物武器としてはかなり強力な印象です。
さらなる応用形として、増えに増やした花びらを無数の刀に再形成するという数の暴力フォーム。
花びらを自分の周囲と手元に圧縮してなんか強そうになる最終形態など、異様にカッコいいアレンジも見られます。
他にも取り上げたい作品はいくつもありますが、本当にキリが無いのでここまで。
まとめに移ります。
やはり変形武器にはいくつかの「お約束」ジャンルがあるのではないか、ということと、
魔法や霊力と言った超常的なエネルギーで構成され、動く武器は変形の幅も大きいということを考えました。
また、感想としては「変形武器」というものが広く浅い概念であることもあり、調べることに苦労した印象でした。